ENJOINT税理士法人 様 |
業務内容:税務会計顧問、クラウド会計ソフトの導入、スタートアップサポート など 利用用途:請求書・比較書の作成、Chatwork連携、タブ表示による情報管理 など 従業員数:グループ全体28名 kintone利用ユーザー数:税理士部門20名 |
顧客課題
ENJOINT税理士法人は会計税務だけに留まらず、クラウド会計ソフトの導入やスタートアップサポートまで行う次世代型の税理士法人です。
同社ではITツールの積極活用による業務効率化を得意としており、社内でも既に6年半前にはkintoneの導入を行っていました。
ですが、そのまま全てが順調に進んだわけではなく、kintoneを運用していく上である課題にぶつかってしまったこともあったそうです。
そこで、1年半前にその課題を解決するため、同社ではCrenaとオーサムジョブによる提携サービス「Crena Plugin with k-Report」の導入を行い、課題の解決に成功しました。
今回の導入事例では
- kintoneを運用していく上でどのような課題が発生したのか?
- なぜ「Crena Plugin with k-Report」の導入を決定したのか?
- 「Crena Plugin with k-Report」を導入してどのような効果があったのか?
という点について、同社の代表社員税理士である智原氏に詳しくお話をお伺いしたいと思います。
管理コストの増加と保守運用の属人化
「業務的に問題はなく、当時は課題を認識していなかったんです」と語る智原氏。
当時のENJOINT税理士法人では、様々な提供元のkintoneプラグイン導入やJavaScriptによるカスタマイズによって、kintoneの業務効率化を行っていました。
業務はうまく効率化され、kintoneのシステム管理担当者である智原氏も、先述のように特に問題点は感じてはいなかったようです。
しかし、様々な提供元のプラグイン導入とJavaScriptを利用したカスタマイズを続けていくうちに、ある課題が次第に現れてきました。
それは、管理コストの増加と保守運用の属人化です。
様々なカスタマイズを組み合わせ続けた結果、kintoneの保守運用がどんどん複雑で難しくなり、正確に仕様を把握していて管理を行えるのが、智原氏のみであるという状況になってしまいました。
こうなってしまうと、kintoneに関するシステムトラブルや改善リクエストは全て智原氏のところに押し寄せることに。
「kintoneで問題があると大体僕のところに来るので、通常の業務と合わせると時間的なリソースが足りなく、依頼されたタスクが山積みになってしまいました」と智原氏は当時を振り返ります。
時には夜中まで作業が続いてしまうこともあったそうです。
当時の帳票出力サービスに対する物足りなさ
また、当時のENJOINT税理士法人では請求書の作成に別のkintone帳票出力サービスを利用していました。
ですが、そのサービスでは出力した帳票を保存して顧客にチャットワークで送信を行う必要があり、毎回pdfのダウンロードと削除の手間がかかっていました。
そのため、智原氏の頭の中には「出力した帳票を自動でクラウドストレージに保存し、kintoneにそのURLを自動入力して、そのままお客様に送信できれば、業務が一気に効率化するのに……」というアイデアがあったそうです。
「Crena Plugin with k-Report」の導入へ
こうした背景の中、以前から交流があった株式会社Crena代表平野の紹介をきっかけに、ENJOINT税理士法人では「Crena Plugin with k-Report」の導入を決定しました。
導入のきっかけを智原氏は以下のように語ります。
「会計事務所出身でkintoneを取り扱っている平野さんには親近感もあり、前からずっと注目していました。
イベントや面談で数回お会いしたことはあったのですが、その後『様々な無償kintoneプラグインを利用していると管理が難しい』という課題が浮かび上がり、改めて2023年9月頃に相談をさせていただきました。
そのときに多様なCrenaのプラグインを見せていただき、現在のシステムと置き換えが可能だったので導入に踏み切りました」
導入効果
① 「Crena Plugin」の導入で管理コストをグッと削減
Crena Plugin ⇨ 月額料金をお支払いいただくことで、30種類以上のプラグインが使い放題になります。 |
まず、ENJOINT税理士法人では、既存のプラグインをほぼ全てCrena Pluginに置き換えました。
これにより、プラグインの管理が一気に楽になり、様々な提供元のプラグインを利用することによる競合トラブルのリスクも大幅に下がりました。
「バージョンアップの確認が1社で済むのは楽です。また、困ったことがあればCrenaさんに尋ねればよいので、引き続きもしやすくなりました」と智原氏も安堵の様子。
また、30種類以上のプラグインと柔軟な設定によって、JavaScriptによるカスタマイズも必要最低限になり、保守の負担も少なくなりました。
例えば、プラグイン導入の効果について、智原氏は以下のように語ります。
「これまで、フィールドの表示/非表示・入力可能/不可の設定をJavaScriptで書いていたのですが、フィールド制御プラグインの導入によって簡単にできるようになりました。
これまで作った自信作のJavaScriptたちを削除するときは悲しい気持ちにもなりましたが(笑)」
フィールド制御プラグイン ⇨ 条件に合わせてフィールドの表示非表示や活性非活性を切り替えることができるプラグインです。 |
また、プラグインを導入したことによって、効率化も大きく進んだそうです。
「効率はとても上がっています。例えば、Crenaさんのプラグインを導入してからkintone上でインボイスや法人番号の情報取得ができるようになったので、わざわざ国税庁のサイトを確認しにいく必要がなくなりました」
適格請求書発行事業者検索プラグイン ⇨ 消費税法に基づく適格請求書の発行を行っている事業者を検索できるプラグインです。 |
法人番号検索プラグイン ⇨ 法人番号をもとに法人名・所在地等の企業情報を自動取得できるプラグインです。 |
さらに、プラグインを活用した独自のノウハウについても、ご紹介頂きました。
「ユーザー側としてはツールチップ機能が一番嬉しいかもしれません。業務マニュアルのURLリンクをツールチップで設置することによって、いつでもkintoneからマニュアルを確認できるようにしています」
ツールチッププラグイン ⇨ アイコンにカーソルを重ねると、関連する説明文をポップアップで表示することができるプラグインです。 |
現在、ENJOINT税理士法人では合計20種類以上のCrena Pluginを活用しており、1つのアプリに5~6個は導入がされているそうです。
② 「k-Report」と「Chatwork連携プラグイン」で業務を効率化
k-Report ⇨ kintoneのデータを自由なレイアウトで帳票出力できる連携システムです。 |
また、ENJOINT税理士法人ではk-Reportの導入を行い、主に請求書の作成に活用しています。
k-Reportの導入について、「一番の決め手は『pdf出力時にデータが保存されたストレージのURLをkitnoneに自動保存できる』ことでした」と智原氏は語ります。
このk-Reportの機能と、Crenaの「Chatwork連携プラグイン」を組み合わせることによって、以下のようなフローを構築しているをご紹介頂きました。
- k-Reportで請求書のpdfを出力する
- 出力時にストレージのURLがkitnoneに自動保存される
- Chatwork連携プラグインでkintoneからそのままChatworkで請求書を送付する
これにより、ワンクリックで請求書を送信することが可能になったそうです。
「ダウンロードの手間やダウンロードした後の保存先の問題、こうした問題がすべて解決したので、そこが一番k-Reportを活用できているポイントだと思います」と智原氏も喜びの表情を浮かべておりました。
Chatwork連携プラグイン ⇨ レコード情報を元にChatworkにチャット通知を送信するプラグインです。 |
また、請求書以外にも「契約更新の際に比較表を作成して顧客に送付する」という活用事例をご紹介していただきました。
k-Reportを利用すれば、以下のような綺麗に整頓された表もワンクリックで作成することが可能になります。
今後の展望
最後に、今後の展望について智原氏にお伺いすると
- 社内のワークフローをしっかりと周知させた上で、kintoneの保守運用が可能なメンバーを増やしたい
- クラウド型のRPAサービスを活用して、kintone中心のRPAシステムを組んでいきたい
- 効率化・見える化を引き続き推し進めていきたい
という意欲的なお話を聞かせていただくことができました。
ENJOINT税理士法人の更なるご活躍を心待ちにしております。ご協力ありがとうございました。