城南コーテック株式会社 様 |
業務内容:塗装工程の設計・提案(自動車部品、屋外用部品、屋内用部品、車体部品、キッチン部品、特殊塗装部品、小物部品など) 利用用途:タブ表示プラグインによるチェックシートアプリのユーザビリティ向上 など 従業員数:41名 kintone利用ユーザー数:30名 |
城南コーテック株式会社は、昭和27年創業のノウハウを生かして塗装工程の設計・提案を行っている企業です。
特殊塗装、機能性塗装、粉体塗装など、様々な要望に応える最新鋭の塗装設備を導入しています。
そんな同社では、長年の間、アナログなワークフローによって「現場の製造チェックシートのデータの集計に2週間ほどかかり、リアルタイムで集計できない」という課題に悩まされていました。
ですが、同社では「kintone」、そして「Crena Plugin」の導入を行い、課題の解決と業務のDX化に成功します。
今回の導入事例では
- どのような課題が具体的に発生していたのか?
- なぜ「Crena Plugin」の導入を決定したのか?
- 「Crena Plugin」を導入してどのような効果があったのか?
という点について、同社の渡邊氏に詳しくお話をお伺いしたいと思います。
顧客課題
塗装業務と製造結果チェックシート
同社では、お客様の金属製品をまとめて預かり、機械のコンベアに乗せて、スプレーで吹き付けて塗装をするという業務を行っています。
そのため、現場では毎日製造結果をチェックシートに記録しており、コンベアのスピードや温度といった塗装条件はもちろん、特に重要な良品・不良品の個数の記録は欠かせません。
そして、不良品が発生してしまった場合には、「ゴミが付いていた」「塗り切れなかった」などの不良種別も事細かに記録していきます。
アナログなワークフローによるデータ集計の遅延
ですが、このチェックシートは長らくアナログなワークフローによって管理されており、当時はデータの集計に2週間ほどかかってしまっていました。
具体的には
- 紙のチェックシートが毎日16~20枚ほど現場で記入される
- 現場の担当者がチェックシートをpdfに落とし込み、Excelに転記する
- 上役に渡して判子をもらう
- 現場に集計されたデータが戻ってくるのが約2週間後
というワークフローを踏んでいました。
単純に工数がかかって大変ということはもちろん、一番の課題だったのは「リアルタイムで不良分析ができない」ということでした。
「製造業にとって良品率は一番追いかけなければいけない指標ですので、そのデータがリアルタイムで追いかけられないというのは大きな問題でした」と渡邊氏は当時の様子を振り返ります。
データ集計システムのDX改革へ
ですが、同社では3年前に渡邊氏が入社したことをきっかけに業務改革に向けて動き出します。
この改革には、前述の課題以外にも、人員不足という背景があったそうです。
「人にしかできないことはもちろんありますが、人員不足の現状を知って、人以外にできることはどんどん便利なツールに置き換えていかないと、今後の会社の継続性が保てないと思いました」
そして、同社では2023年にkintoneを導入。
渡邊氏が前職で学んだITシステム構築の知識を生かして、DX化を推し進めたそうです。
「Crena Plugin」の導入へ
そして、2024年8月に本格的にチェックシートのデータ集計システムを構築するため、同社では「Crena Plugin」の導入を決定します。
導入のきっかけについて、渡邊氏は以下のようにお話してくださいました。
「元々はタブ表示ができるプラグインを探していたのがきっかけです。
前述したチェックシートには200項目ほど入力する欄があって、そのまま表示するとズラーっと項目が並んでしまい、アプリが見にくくて使いずらいという状況に陥ってしまっていました。
そのため、解決できる情報を検索していたところ、Crenaさんの名前を見つけました。
導入の決め手としては、シンプルな機能性はもちろん、分かりやすくて使いやすいプラグイン設定のUI/UXもいいなと思いました」
また、プラグインの機能性や操作性以外にも、月額料金で複数のプラグインが使い放題というシステムも決め手の1つだったそうです。
「(タブ表示プラグイン以外にも)フィールド制御プラグインの機能を見て、これを使えば『現場で利用する際に、プルダウンの条件に応じて、入力するフィールドだけ表示する』という使い方ができると思いました。
ルックアッププラグインやツールチッププラグインもいいなと思って、これらのプラグインを使えば現場の入力がもっと分かりやすくなると導入に踏み切りました」
それでは、実際の導入効果を見ていきましょう。
導入効果
① タブ表示プラグインでユーザビリティ向上
タブ表示プラグイン ⇨ フィールドをカテゴリごとにタブで切り替えて表示することができるプラグインです。 |
同社では、チェックシートアプリにタブ表示プラグインを導入することによって、グループごとに項目を分け、見やすくユーザビリティの高いアプリの構築を実現しました。
タブ表示によって、それぞれの担当者が目的の項目にすぐアクセスすることができます。
「弊社の現場はライン作業なので、例えば『製品をひっかける作業員』『製品を塗装する作業員』『製品の検査をする作業員』が1つのライン上にいるので、チェックシートを入力する際にも、自分と関係のない項目が多くなってしまうんです。
(タブ表示を導入する前に)最初に並んだ項目をバーっと見せたら、『長くて分かりにくい』『入力しにくい』という意見が上がってきてしまいました。
ですが、タブごとに項目を分けて表示をすることによって、自分の項目が入力しやすい環境を作ることができました」
また、条件付きタブ非表示機能を用いて、まず始めに部署のフィールドを入力しないと、タブが表示されないという設定も紹介していただきました。
「入れるところを迷わないように、また必須項目の入力漏れが無いようにしたくて、今のような動作を設定しています」
利用ユーザーに寄り添ってとことん快適な操作性を実現する、渡邊氏のこだわりと思いやりが伝わってくるプラグイン活用事例でした。
② DX化でリアルタイムの集計が可能に
そして、kintoneによるチェックシートアプリが完成したことによって、データ集計まで2週間必要だったのが、リアルタイム表示に大きく改善されました。
デジタルデータで出てくるので、そのデータをExcelのピポットテーブルで加工するなどもやりやすくなったそうです。
Before | After |
また、紙で記入していた現場のチェックシートも、専用のタブレットPCに変更され、入力がしやすくなりました。
③ kintone導入のポイント
今回の事例にあたって、渡邊氏に工夫したポイントについてお尋ねしたところ、以下のようなお話を聞かせていただきました。
「まずは、入力側の負担をいかに減らすかということを考えました。
作っても使ってもらえないと宝の持ち腐れになってしまいますので。
また、現場の従業員と何回も打ち合わせをして、アプリを構築していくことも大切だと思います。
自ら現場に出向いて研修やデモを行ったりと、かなり泥臭いことをやってきました。
『これやるからよろしく!』ではなく、現場の意見をきちんと聞くことが重要です」
製造業でkintone導入を考えている方にとって、非常に参考になるアドバイスなのではないでしょうか。
今後の展望
最後に、今後の展望について渡邊氏にお伺いすると
- 発注書の管理、帳票出力
- 製造進捗管理システムの作成
- SFA(営業管理ツール)としての活用
というより一層のDX化を予感させるお話を聞かせていただくことができました。
城南コーテック株式会社の更なるご活躍を心待ちにしております。ご協力ありがとうございました。